私(小松)が担当している利用者さん(男性)の話です。
リハビリの最中、ご本人が9年10カ月にわたり、寝たり切りになった義理のお母さんの介護をしていた話をされました。
在宅介護を始めるにあたり、ヘルパーの資格をとって介護の勉強もするほど熱心でした。
奥様は事業をされていたため、料理、洗濯、下の世話まで行っていました。
義母さんは寝たきり状態でありながらも、頭はクリアだったため、
「料理がまずい、こんなん食べられへん」
「もっとはやく着替えさせて」
などなど、非常に注文が多かったそうです。
その介護生活を9年10カ月。10年以上前、当時男性が介助をするとは考えられない時代です。
『介護者として、一番しんどかったことは何ですか?』と尋ねると、
嫌味を言われ、それでも9年10カ月介護をし続けて、
親類から何のねぎらいの言葉もなく、
葬式のときに「お世話になったらしいなあ」と他人事。
腹が立ってもう口きかへん!て思った。
と、当時の想いを語ってくれました。
介護している者が一番つらいのは、
その労力を、親族から認められないこと。
一番望んでいるのは、「ありがとう」の一言。
家庭で1対1。社会との関係も疎遠になりがちになる介護。
(育児もそうかもしれません)
介護する価値が認められるだけで救われるのかもしれません。
私たち専門職が行うべき援助。
直接援助ばかりを考えてしまいますが、
視点を高くもつことも必要だと思いました。
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